運動器系の病気(外傷を含む)
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ボクサー骨折
ぼくさーこっせつ
Boxer's fracture
初診に適した診療科目:整形外科
分類:運動器系の病気(外傷を含む) > スポーツ外傷・障害
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どんな外傷か
ボクシングや空手などのスポーツで、拳を握った状態で相手や物を殴打することによって、中手骨(手のひらの骨)が頸部(こぶしの近く)で折れるものをいいます。パンチ力の強い選手が相手の頭を強く殴打し、正確にナックル(指の関節)で当たっていない場合によく発生します。
実際には、ボクシングでの発生は意外に少なく、ケンカやゲームセンターのパンチングマシーンによるものがほとんどです。
合併損傷
まれに腱の損傷を合併し、手術的処置が必要になることもあります。
症状の現れ方
ボクサーでは示指(人差し指)や中指に、一般の人では小指や環指(薬指)の中手骨に発生することが多く、骨頭が手のひら側に曲がる変形を来すため、整復しないとナックルの消失(いわゆるこぶしがつぶれた状態)になってしまいます。
検査と診断
手指の付け根にある、握ると盛り上がるこぶしがなくなっていて、疼痛や腫脹(はれ)を認めます。X線撮影で中手骨に骨折線を確認します。とくに側面から見た像で骨折の屈曲変形が明らかになります(図36)。
治療の方法
屈曲変形を手で整復するのは比較的容易に行えますが、整復状態を保持するのが困難なため、多くの場合はピンなどを用いて固定する手術療法を行います。
応急処置や予防対策はどうするか
応急処置としてアイシングや副子固定を行います。手指の外傷は軽視される傾向にありますが、早期復帰のため、あるいは指の動きが悪くなる、握ると指が重なる、指の力が弱くなるなどの後遺症を避けるためにも、早めに専門医(整形外科・手の外科)を受診してください。予防法としては、正確にナックル部分で当たるように打つこと、厚めのグローブを使用することなどです。