脳・神経・筋の病気
神経ベーチェット病
しんけいべーちぇっとびょう
Neuro-Behcet disease
初診に適した診療科目:神経内科
分類:脳・神経・筋の病気 > 全身疾患に伴う脳神経系の病気
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どんな病気か
ベーチェット病は全身の病気で、次にあげる特徴的な4つの主症状を示します。
①口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍
②皮膚病変:痛みを伴う結節性紅斑様の皮疹や毛嚢炎が多く、また患者さんの皮膚は刺激に敏感で、注射針を刺したあとが翌日には赤くはれたり、うみをもったりする(針反応陽性)。
③ぶどう膜炎や虹彩毛様体炎などの眼症状
④外陰部潰瘍
この4症状を認める場合を完全型といいますが、副症状として関節炎、消化管潰瘍、副精巣炎、血管炎、血栓症および神経症状などを伴うことがあります。
神経ベーチェット病とはベーチェット病に中枢神経の障害を伴った場合をいいます。神経ベーチェット病はベーチェット病患者の一部に発症し、多くは4つの主症状がそろわない不全型で、ベーチェット病発病後5〜6年で発症する場合が多いとされています。発病は青壮年期男性に多く、かつ白血球の血液型ともいえるHLAで、B51型をもつ患者さんが非常に多く認められます。
原因は何か
原因は不明ですが、口腔内に誰にでも常在する、ある種の連鎖球菌に対するアレルギー反応によって起こる炎症反応(細小血管炎)であると考えられています。神経組織の軟化と脱髄を伴う病変が中枢神経(脳幹、脊髄、大脳、間脳)に好発し、急性または亜急性の再発を繰り返し、慢性の経過をたどります。
症状の現れ方
頭痛、不眠、神経質、無力感、次いで半身麻痺、失語症、錐体外路症状(体が硬く動きが悪い、勝手に手足が震える)、小脳症状(ふらついて歩きにくい、細かいことがうまくできない)、排尿障害、意識障害、仮性球麻痺(飲み込むのがうまくできなかったり、言葉がうまく話せない)、痙性四肢麻痺(手足が硬く突っぱる)、認知症などの多様な症状を示します。
検査と診断
症状が急に悪化した時には、血液に炎症所見を、皮膚には針反応陽性を、脳脊髄液には蛋白と細胞数(主に多核白血球)の増加を認めます。脳MRIなどの画像診断で病変を描き出すことができます。
治療の方法
副腎皮質ステロイド薬が治療薬として用いられますが、それに反応が悪い場合には免疫抑制薬が併用されます。