脳・神経・筋の病気

小脳炎

しょうのうえん
Parencephalitis

分類:脳・神経・筋の病気 > 運動の異常を主症状とする病気

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どんな病気か

 炎症性の疾患としては、まず小脳炎と呼ばれる病気があります。これは細菌やウイルスが脳に直接害を及ぼす髄膜脳炎の仲間ではなく、かぜや下痢を起こす病原体に感染したあとに、自分の免疫が中枢神経に抗体をつくる脳幹脳炎の一症状として小脳症状を起こすものです。神経に対する抗体が一時的にできるギラン・バレー症候群という病気の仲間です。

原因は何か

 小脳炎は眼球の動きが悪くなるフィッシャー症候群に伴って起こることが多く、そのほかの脳幹の症状として、意識障害や顔面筋の麻痺などを起こすことがあります。

 病原体としてはマイコプラズマや、単純ヘルペスウイルス、帯状ヘルペスウイルスなどがいわれていますが、原因が証明できないことも多くあります。

症状の現れ方

 小脳炎は呼吸障害や意識障害が強い重症型でなければ、生命に関わる病気ではありませんが、ふらつきなどが月単位で続き、不便な状態が続きます。

治療の方法

 血液中の神経に対する抗体を取り除くために、血漿交換やガンマグロブリンという血液製剤で治療をするようになり、病状の回復が早くなりました。

(横浜市立大学附属病院神経内科教授 鈴木ゆめ)