呼吸器の病気
がん性胸膜炎
がんせいきょうまくえん
Carcinomatous pleurisy
初診に適した診療科目:呼吸器科 内科
分類:呼吸器の病気 > 胸膜・縦隔・横隔膜の病気
広告
広告
どんな病気か
がんが胸膜に播種(ばらまかれること)し、胸水がたまる病気です。
原因は何か
がん性胸膜炎を引き起こす悪性腫瘍としては肺がんが最も多く、次いで胃がん、乳がん、卵巣がん、膵がん、悪性胸膜中皮腫などが頻度の高い原因です。
症状の現れ方
胸痛(深呼吸や咳で増悪するのが特徴)、咳などの症状が現れます。胸水が大量にたまってくると、呼吸困難を自覚するようになります。発熱を来すことは少ないようです。
検査と診断
胸部X線検査で胸水がたまった像を認め、胸腔穿刺(針を刺す)により、胸水中からがん細胞が証明されれば診断が確定します。胸水の特徴として、血性であること、リンパ球が増加していること、CEAなどの腫瘍マーカーが高値であることが、補助診断として役立ちます。
胸水の検査だけで診断が得られない場合には、胸腔鏡を用いて胸腔内を観察し、病変部位を生検して、がん細胞を証明することもあります。
治療の方法
胸腔ドレナージを行い、胸水が減った時点でアドリアマイシンなどの抗がん薬やピシバニールを注入し、胸水が再びたまるのを予防します。同時にシスプラチンなどの抗がん薬の全身投与を行います。
しかし、多くの患者さんの予後は極めて不良です。
病気に気づいたらどうする
深呼吸や咳で増悪する胸痛を自覚すれば、胸膜炎を疑い、早めに内科を受診しましょう。とくに喫煙者の方が前記の症状を感じれば、肺がんによるがん性胸膜炎の可能性があるので、至急に内科を受診します。
また、中年以降の女性は、喫煙歴がなくても肺がんが発生することがあるので、注意が必要です。