循環器の病気

クッシング症候群

くっしんぐしょうこうぐん
Cushing's syndrome

分類:循環器の病気 > 血圧の病気

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原因は何か

 クッシング症候群は、副腎皮質よりコルチゾールというホルモンが過剰につくられる疾患群で、クッシング病(下垂体腺腫)と副腎腺腫が大半を占めます。まれな疾患で、全高血圧の患者さんの0・1%以下です。30〜40代に好発し、女性に多くみられます。

症状の現れ方

 コルチゾールの過剰による高血圧に加え、中心性肥満、満月様顔貌、背部の水牛様変化、多毛など非常に特徴的な症状を示します。性機能の低下や糖尿病もよくみられます。

検査と診断

 基本的にコルチゾールの過剰産生を証明しますが、原因特定のため詳細なコルチゾールの抑制あるいは刺激試験が必要です。部位診断や鑑別診断のためにCTやMRIなどの画像診断を行います。

治療の方法

 治療の原則は、外科的に腫瘍を摘出する方法です。

 下垂体腺腫、副腎腺腫とも、腫瘍の完全摘出例では予後は良好ですが、副腎がんによるものは予後不良です。

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 以上、述べてきた疾患のほか、表3に示すように、大動脈炎症候群、大動脈縮窄症、甲状腺疾患、副甲状腺疾患、末端肥大症、睡眠時無呼吸症候群、さらに薬剤などが高血圧の原因になることがあります。

(広島大学大学院医歯薬学総合研究科発達科学部准教授 東 幸仁)

表3 二次性高血圧の分類表3 二次性高血圧の分類