循環器の病気

褐色細胞腫

かっしょくさいぼうしゅ
Pheochromocytoma

分類:循環器の病気 > 血圧の病気

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原因は何か

 褐色細胞腫は、カテコラミンという副腎髄質から分泌されるホルモンが過剰につくられる疾患です。“10%病”と呼ばれるように、両側副腎由来が10%、悪性が10%、副腎外由来が10%、家族内発症が10%を占めます。全高血圧の0・1〜0・2%を占めます。発症に男女差はなく、年齢も10〜80代まで幅広くみられます。

症状の現れ方

 著しい高血圧、頭痛、発汗過多、代謝亢進、高血糖を特徴とします。褐色細胞腫の3分の2は、普段は無症状ですが発作的に症状が現れる発作型です。

検査と診断

 カテコラミンの過剰産生を血液や尿の検査で証明します。一般に、発見時の腫瘍の径は大きく、CT、MRIやシンチグラフィなどの画像診断が容易です。最近は、画像診断で腫瘍が偶然見つかった(偶発腫瘍)あと、本症と診断される例が増えています。糖尿病や高脂血症の合併もよくみられます。

治療の方法

 治療の原則は、外科的に腫瘍を摘出する方法です。

病気に気づいたらどうする

 腫瘍を完全摘出した場合は血圧も正常にもどり、予後は良好です。しかし、放置していて血圧上昇が著しい場合には、高頻度に脳卒中や心不全を来します。

(広島大学大学院医歯薬学総合研究科発達科学部准教授 東 幸仁)