こころの病気

術後精神病

じゅつごせいしんびょう
Postoperative psychosis

初診に適した診療科目:精神科 神経科

分類:こころの病気 > 器質性精神障害

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どんな病気か

 いろいろな手術のあとに、幻覚や妄想を中心とする精神病症状が起こることがあります。これを術後精神病といいます。手術は身体的のみならず精神的にも大きな影響を与えるので、精神的に不安定になり、ひどいと精神病症状が起こります。とくに高齢者に多いので注意が必要です。

 手術後に最も多い精神障害は、術後せん妄です。これは正確には術後精神病ではありませんが、重要なのでここで特記します。

 せん妄は一種の意識障害で、錯覚や幻覚(とくに幻視)や妄想(とくに被害妄想)が起こり、興奮したり不穏になるため、医療上大きな問題になります。手術直後に起こり、一過性・動揺性で、数日以内に回復しますが、時にはそれ以上遷延することもあります。回復後、本人はその間のことを覚えていないのが普通です。

治療の方法

 治療にはハロペリドール、リスペリドンなどの抗精神病薬がよく使用されますが、手術前の精神的な対応や環境調整も重要です。夜間せん妄では、睡眠覚醒リズムの調整も大切です。

(横浜ほうゆう病院病院長 小阪憲司)