女性の病気と妊娠・出産

疥癬

かいせん
Scabies

分類:女性の病気と妊娠・出産 > 外陰と腟の病気

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どんな病気か

 ヒト疥癬虫による感染症です。疥癬虫が皮膚の角質層内に寄生することによって発症し、外陰部のほか、下腹部、乳房下部、指の間などの皮膚の軟らかい部分に好発します。疥癬虫は角質内でトンネルを掘って産卵します。寝具などを通して感染し、集団で発症することが少なくありません。

症状の現れ方

 紅色〜暗赤色の小結節(丘疹)が多発し、激しいかゆみを生じます。このため、かき壊してしまうことが多く、細菌による二次感染も併発してきます。

検査と診断

 前記の症状のほか、角質が数㎜にわたって隆起した疥癬トンネルも診断の参考になります。小丘疹や小水疱を採取し、顕微鏡下で虫卵、虫体がみつかれば、診断できます。集団で発症していることも診断の目安になります。

治療の方法

 外用薬が有効です。クロタミトン軟膏(オイラックス軟膏)、硫酸サリチルアントール軟膏(アストール軟膏)、駆除薬のフェノトリン製剤(スミスリンパウダー)散布のほか、硫黄剤を用いた入浴などが有効です。

(東京大学医学部附属病院女性診療科・産科助教 織田克利)