お年寄りの病気
前立腺肥大症
ぜんりつせんひだいしょう
Benign prostatic hyperplasia (BPH)
分類:お年寄りの病気 > 腎・泌尿器疾患
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高齢者での特殊事情
「尿の勢いが弱い」、「排尿に時間がかかる」、「排尿後に残尿感がある」、「頻尿」などの自覚症状を「国際前立腺症状スコア」という問診票で調べ、同時に排尿障害が日常生活(生活の質:QOL)に影響する程度も調べますが、高齢者では問診内容が十分理解できないことがあるので、評価は慎重を要します。
直腸診で前立腺を触り、前立腺がんかどうかと前立腺の大きさを調べます。排尿後の残尿量を計りますが、通常は超音波装置を用いて前立腺の大きさと同時に残尿量を計測します。また尿流測定をして尿の勢いを調べます。
治療とケアのポイント
治療は自覚症状と「生活の質」の状態、尿の勢いの程度、残尿量、前立腺の大きさを総合的に評価して「軽症」「中等症」「重症」に分けて決めます。
「軽症」では薬物療法を選択します。「中等症」以上で手術療法が適応されます。内視鏡手術(経尿道的前立腺切除術:TUR‐P)や開腹による前立腺摘除術が行われます。尿がまったく出ない尿閉状態や重篤な合併症で手術ができない場合は、管(カテーテル)で尿を出すようにします。長期の尿道カテーテル留置になると尿路感染や尿道出血・尿道損傷などが生じるので、カテーテル管理が重要となります。