お年寄りの病気

食欲がない

しょくよくがない
No appetite

分類:お年寄りの病気 > 〈高齢者によくみられる訴えと症状〉全身的な症状

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必要な検査と疑われる病気

 一週間以上食欲がない時には、医師の診察を受け原因を調べてもらってください。下痢や便秘はありませんか。吐き気はありませんか。病院を受診する際には、内服している薬の一覧も用意してください。病院にかかるか様子をみるか判断に迷う時には、まず熱を測ってください。熱があれば「急に高熱が出た」「微熱が続く」を参照してください。

 熱がない時には体重が減少していないか調べます。元気な時から1カ月に1〜2回は体重を調べておくと、病気の時に大変参考になります。やせてきた場合は医師を受診し、原因を調べます(「やせてきた」を参照)。この場合、脱水や消化器の病気が考えられます。薬による食欲不振もよくあるので、内服している薬の一覧を持参してください。内科的に問題がなければ、うつを考えます。

 体重が増えている時には、むくみがないか見てください。たいていは足にむくみが出ますが、寝たきりの人では背中に出ます。むくみがあれば心不全などの病気が考えられ、治療が必要なので、病院を受診してください。

 体重の減少がなければ様子をみます。口のなかが汚れていると食欲が低下するので、口腔ケアをして口腔内を清潔にしてください。便秘のある人は、運動や薬で定期的に排便があるようにしてください。運動は疲れない程度、10〜20分の散歩で結構です。運動だけで食欲が改善するケースもあります。

家庭での対処のしかた

 食欲がない状態が続いていたら、病院を受診して原因を調べてもらってください。体重の減少やむくみがある場合は、原因の精密検査と治療が必要です。

(北野病院副院長 服部明徳)