子どもの病気

処女膜閉鎖症

しょじょまくへいさしょう
Imperforate hymen

初診に適した診療科目:小児科 婦人科

分類:子どもの病気 > 泌尿器と性器の病気

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どんな病気か

 図24の左のように、通常、処女膜は腟を完全にふさいでいるわけではなく、腟口部を取り囲むヒダ状のもので中央部は開いています。ところが、なかには処女膜が完全にふさがっているケースがあります(図24の右側)。これが処女膜閉鎖症です。

 原因は先天的な異常と考えられます。

症状の現れ方

 腟のなかに粘液がたまったり、子宮に液体がたまったりします。そのため下腹部痛を起こしたり、しこりを感じることがあります。18歳になっても初潮がみられない原発性無月経の原因になったり、思春期以降定期的に腹痛や腰痛を訴えたりします。また、膀胱刺激症状や排便痛を訴えることもあります。

検査と診断

 診察で処女膜閉鎖症が疑われたら、超音波検査やCT検査で腟や子宮に液体がたまっていないかどうかを検査します。

治療の方法

 処女膜を切って液体や月経血や粘液の通り道をつくります(処女膜切開術)。

病気に気づいたらどうする

 婦人科医に相談してください。

関連項目

 腟閉鎖症

(関西医科大学小児科学講座教授 金子一成)

図24 正常な処女膜と処女膜閉鎖図24 正常な処女膜と処女膜閉鎖