子どもの病気
腸重積症
ちょうじゅうせきしょう
Intussusception
初診に適した診療科目:小児科
分類:子どもの病気 > 消化器の病気
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どんな病気か
腸重積症とは、本来は口から肛門まで1本のトンネルであるはずの腸管の一部が、肛門に近いほうの腸管に入り込んで重なってしまった病気です。2歳以下、とくに生後4カ月〜1歳までが起こりやすく、男女比は2対1と男児に多いと報告されています。
原因は何か
多くは原因不明ですが、ウイルスの腸管感染による腸蠕動の異常が原因とする考え方が有力です。メッケル憩室、ポリープ、悪性リンパ腫やアレルギー性紫斑病などの基礎疾患が原因となることがあります。
症状の現れ方
発症初期には、嘔吐、腹痛や不機嫌がみられます(80%以上)。それまで元気であった子どもが、急に激しく泣いてはおさまること(間欠的啼泣)が続くようなら、注意が必要です。感冒様症状を伴うこともあります。
嘔吐が続くと脱水症状を来し、重なっている部分の腸管が炎症を起こして出血を伴い、粘血便やショック症状がみられます。最悪の場合は腸管が破れて腹膜炎を起こし、命に関わることがある緊急性の高い病気です。
検査と診断
診断は症状、経過のほかに、腹部の診察にて右側上部に押すと痛みのある腫瘤を触れること、超音波検査で特徴的な所見を示すこと、注腸造影(肛門からカテーテルを入れて造影剤を注入し、X線撮影する)などで行います。
治療の方法
発症後12時間以内で全身状態が比較的良い場合は、診断を兼ねて注腸造影を行い、整復を試みます。X線透視下で、造影剤や空気を用いて整復を行うことが一般的ですが、現在では超音波下で整復を行う施設もあります。整復が成功した場合でも、再発が起こらないかどうか入院して経過を観察します。
発症から長時間経過している、腸閉塞が高度である、全身状態が著しく悪い、注腸造影で整復できない、すでに腹膜炎を合併しているなどの場合は、手術が必要になります。
再発は、注腸造影による整復例で5〜10%にみられます。再発例の50%は、初回整復後5日以内にみられます。手術での整復後の再発は3・5%以下と報告されています。再発を繰り返す場合は基礎疾患の検索が必要になります。
病気に気づいたらどうする
前記の症状が重なって現れ、続くようなら、夜間でも救急外来を受診する必要があります。もちろん、日中であれば小児科を受診してください。なお、腸重積を発症した場合でも、退院後は食生活の制限は必要ありません。