外傷

肘内障

分類:外傷

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 3〜6歳ぐらいの幼児にしばしば生じる状態で、両親などが手を引っ張ったあとに、子どもが痛がって手をだらんと下げて動かさないのが特徴です。

 とくに肘関節周辺の腫脹(はれ)はなく、X線検査で異常所見もみられませんが、原因は橈骨頭を支える輪状靭帯から橈骨頭が半分抜けかかるためといわれています。

 骨折や脱臼の可能性がなく、症状や経過から肘内障が疑われた時は、徒手整復を行います。整復操作は簡単で、肘関節を回外しながら屈曲させていくと、クリック(カクンなどの音)を伴って整復され、その瞬間から手を自由に動かせるようになります。

 同じような原因で再発を繰り返すケースも少なくありませんが、予後は良好で、学童期になるとほとんど発症しなくなります。

(国立成育医療センター第2専門診療部部長 高山真一郎)