外傷

頭部の解剖図

分類:外傷

広告

広告

 頭部の基本的な構造は、脳が頭蓋骨という入れ物に入っている状態といえます(図2)。頭蓋骨よりも外側を頭蓋外といい、頭部軟部組織がおおっています。頭蓋骨よりも内側を頭蓋内といい、脳が髄膜に包まれた状態で存在します。脳に対して影響を及ぼす頭蓋内の損傷の有無が、頭部外傷では問題になります。

 髄膜は外側から硬膜、くも膜、軟膜の3層構造になっています。硬膜は頭蓋骨の内側にぴったりと張りついている、厚紙のようなしっかりした膜です。くも膜は薄く弱い膜で、ピンセットでつまむと破れてしまいます。軟膜は脳の表面そのもので、はがすことはできません。くも膜よりも内側を、無色透明の脳脊髄液が満たしています。

(慶應義塾大学医学部救急医学専任講師 並木 淳)

図2 頭部の解剖図図2 頭部の解剖図