内分泌系とビタミンの病気

尿路結石

分類:内分泌系とビタミンの病気

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 尿路結石の成分として最もよくみられるのはシュウ酸カルシウムで、そのほかリン酸カルシウムや尿酸などがあります。これらの成分は多くの場合、混合してみられます。カルシウムを含んだ結石はX線で写りますが、純粋な尿酸結石は見えません。尿中のカルシウムや尿酸の増加は、結石の危険を増やします。副甲状腺機能亢進症のうち、とくに高カルシウム尿症が顕著なタイプでは、結石や腎機能の低下が高頻度に認められます。

 尿路結石は、一般には男性に多い病気ですが、副甲状腺機能亢進症などの基礎疾患があれば女性にも起こります。

 結石が尿管に落ち込んだり、動いたりすると強い腰痛や背部痛を伴う結石発作が起きます。石を取り去れば痛みはなくなりますが、結石が全部出てしまうとは限りませんし、結石をつくりやすい体質や病気が治るわけではないので、放置すればしばしば再発します。ですから、尿路結石の原因になる体質、食事の習慣、基礎疾患をきちんと調べて、可能ならそれを治すことが大切です。

(帝京大学ちば総合医療センター第三内科准教授 井上大輔)