内分泌系とビタミンの病気

テタニー

分類:内分泌系とビタミンの病気

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 カルシウムは、筋肉の収縮に重要な役割を果しています。とくに骨格筋は神経からの刺激を受けて収縮しますが、血液中あるいは細胞外のカルシウム濃度が低下すると、神経から骨格筋への刺激が強まります。また、神経自体も興奮しやすくなります。このため、低カルシウム血症の患者さんでは、こむら返りや筋肉のけいれんが起きやすくなります。

 このような低カルシウムによるけいれんをテタニーと呼んでいます。重度の低カルシウム血症では全身性のテタニー発作を起こすこともあり、てんかんと間違われることもあります。

 したがって、原因不明のけいれん発作があった場合には、必ず低カルシウム血症によるテタニーの可能性を考え、血中カルシウム濃度を測定する必要があります。

(帝京大学ちば総合医療センター第三内科准教授 井上大輔)