内分泌系とビタミンの病気

副甲状腺

分類:内分泌系とビタミンの病気

広告

広告

副甲状腺の役割

 副甲状腺は頸部の甲状腺背面に位置する内分泌臓器で、上下左右に4つの腺があります(図2)。副甲状腺からは副甲状腺ホルモン(PTH)が分泌されます。PTHは、活性型ビタミンDとともに体内のカルシウム代謝に中心的な役割を果たしています。

 PTHが作用する主な臓器は骨と腎臓で、骨吸収および腎臓からのカルシウム再吸収を促進します。また、活性型ビタミンDの腎臓での産生を高めます。その結果、増えた活性型ビタミンDは腸管からのカルシウム吸収を高めるので、PTHは、活性型ビタミンDと協調して血中カルシウム濃度を上昇させます。

PTH分泌の調節機構とその異常

 PTHの産生・分泌を調節する主要な因子はカルシウム自身です。血中のカルシウム濃度が高まるとPTHの分泌は抑えられ、歯止めがかかります。逆に低カルシウム血症になるとPTH分泌は高まり、カルシウム濃度を上昇させます。このような仕組みを、フィードバックと呼びます。

 副甲状腺が正常な場合は必ずこの機構メカニズムがはたらくため、カルシウム濃度が正常範囲に保たれています。しかし副甲状腺の腺腫や過形成による副甲状腺機能亢進症では、このフィードバック機構が損われるために、カルシウム濃度が上昇してもPTH分泌が抑えられず、高カルシウム血症が維持されます。

副甲状腺の画像診断

 正常な副甲状腺は径が数㎜以下の小さな臓器であるため、通常、超音波やCTなどでは見えませんが、原発性副甲状腺機能亢進症の腺腫は80%以上が検出されます。腫大(はれて大きくなる)した副甲状腺腫を検出するには、超音波検査が最も安全で有効です。

 しかし、4つの副甲状腺のうち下の2腺が腫大した場合には、さらに下のほうに落ち込んで胸郭内に潜ってしまい、超音波などで見つからなくなることがあります。とくにこのような場合には、シンチグラフィが威力を発揮します。シンチグラフィは、副甲状腺に集まる放射性の薬剤を注射したのち、その放射線を写真にとることにより副甲状腺を映し出す検査です。

 このように、原発性副甲状腺機能亢進症で腫大した副甲状腺を見つけるには、複数の検査を組み合わせることがしばしば必要になります。

(帝京大学ちば総合医療センター第三内科准教授 井上大輔)

図2 副甲状腺の位置 図2 副甲状腺の位置