男性生殖器の病気

　精巣には精巣垂、精巣上体には精巣上体垂と呼ばれる２〜３㎜ぐらいの突起が上部についています。これは胎生期の遺物で機能はまったくなく、不必要な器官です。

　ところが、この部分がねじれて精索捻転症と同様な症状を示すことがあるのです。幼少時に多くみられます。

　陰嚢の一部に青くはれあがった精巣垂、精巣上体垂が透けて見えること（ブルードットサイン）があります。痛みは徐々におさまりますから、診断が確定すれば様子をみてかまわないのですが、多くは精索捻転症と区別が困難で、手術して初めてわかることが多いようです。

　精巣垂や精巣上体垂が捻転していた場合は、必要のない器官ですから切除してしまいます。とくに後遺症が残ることはありません。

（神奈川県立がんセンター泌尿器科医長　岸田　健）