腎臓と尿路の病気

慢性腎不全のいろいろな症状

分類:腎臓と尿路の病気

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 慢性腎不全の主な症状を表16に示しました。

 慢性腎不全では、腎機能の低下はゆるやかであり、腎機能の指標である糸球体濾過量(glomerular filtration rate: GFR、正常は100ml/分、腎障害で低下する)による重症度(病期)と臨床症状の出現とはよく相関しています。

 慢性腎臓病(CKD)でのステージ(病期)分類で説明すると、ステージが進むにしたがい、多彩な症状が出現してきます。

ステージ1・2

 GFRが60ml〜/分くらいまで低下していますが、代償(補う)機能がはたらいているため、ほとんど無症状です。

ステージ3

 GFRが30〜60ml/分であり、軽度の高窒素血症が出現し、尿濃縮力低下のため夜間の多尿がみられます。また軽度の貧血のため、倦怠感や易疲労感(疲れやすい)、動作時の息切れがみられることもあり、高血圧、高リン血症も認められます。

ステージ4

 GFRが15〜30ml/分となり、高窒素血症や貧血は高度となり、代謝性アシドーシスや電解質異常(高カリウム、高リン血症、低カルシウム血症など)が認められます。

 自覚的には倦怠感や脱力感などが強くなり、高血圧や浮腫(むくみ)などが現れます。

ステージ5

 GFRは15ml/分以下となり、著しい高血圧、浮腫、貧血、消化器症状(吐き気・嘔吐、食欲不振、アンモニア臭など)、循環器症状(動悸・胸痛・呼吸困難などの心不全、不整脈など)、神経・精神症状(眠気、集中力低下、けいれん、意識障害、運動・知覚障害)などの尿毒症症状が現れ、放置すると死に至ります。そのため、透析療法が必要になります。

 患者さんはご自身のステージをよく把握し、症状の出現に気をつけましょう。

(望星田無クリニック院長 福井光峰)

表16 慢性腎不全の臨床症状 表16 慢性腎不全の臨床症状