腎臓と尿路の病気

腎乳頭壊死

分類:腎臓と尿路の病気

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 腎乳頭壊死は、腎臓の内側にある腎乳頭という部分に血液が流れなくなる(虚血)病気で、別名「腎髄質壊死」とも呼ばれます。腎乳頭(髄質)はもともと血流が乏しい組織なので、虚血に陥りやすいという特徴があります。糖尿病や鎮痛薬(痛み止め)の多用が原因になったり、腎盂腎炎が波及して発症します。

 症状としては血尿や混濁尿、発熱や腰痛・側腹部痛などがみられます。尿中に壊死した組織がみられたり、尿路を閉塞して水腎症から腎不全を起こすこともあります。

 予防は、鎮痛薬の乱用をやめたり、糖尿病をしっかりと治療することが重要です。特定の治療法はありませんが、鎮痛薬が原因と考えられた場合には服用を中止します。

 腎盂腎炎が原因の場合や他の尿路感染症を併発している場合には、適切な抗生剤を使用します。

(東海大学医学部内科学系腎・内分泌・代謝内科学准教授 谷亀光則)