肝臓・胆嚢・膵臓の病気

B型急性肝炎の劇症化

分類:肝臓・胆嚢・膵臓の病気

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 B型肝炎ウイルスに感染すると、体は免疫反応によりこれを排除しようとして、感染した肝細胞ごと破壊してしまいます。この反応が肝炎で、適度な反応ですめば普通の急性肝炎で完治します。

 ところが反応が強く起こりすぎて、急激にかつ広範囲に肝細胞が破壊されると、肝臓の仕事ができなくなります。このような状態に陥ることを、「劇症化する」といいます。

 B型急性肝炎で劇症肝炎に進行するのは1%以下の人と考えられています。劇症化するのは、ウイルスが通常とは異なった変異株と呼ばれる特殊なタイプに感染した場合が大半のようです。このようなウイルスをもっているのはe抗原が陰性でe抗体が陽性のキャリアが多いようです。

 ただし外国からは違う意見の報告もあり、ウイルス側だけでなく感染した人の側の問題もあるようです。

(久留米大学医学部消化器内科教授 佐田通夫)

(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門助教 古賀郁利子)