歯と歯肉の病気

マウスガード

分類:歯と歯肉の病気

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 ラグビー、サッカー、ボクシングなど、いわゆるコンタクトスポーツでは選手同士の接触や用具との接触で、口のまわりや口のなかを切る、歯が欠ける・抜ける、さらにはあごの骨を折るなどの事故が起こることがあります。このようなスポーツによるけがから口やあごなどを保護する装置として、マウスガードがあります。

 歴史的には、1913年ごろ英国のボクシング選手によって使われたのが始まりといわれています。その後、米国においてフットボールを中心にその効果が認められ、現在多くのコンタクトスポーツで使用されています。

 マウスガードは外部からの衝撃を吸収することで口のまわりの組織を保護する役割を果たしますが、間接的に脳へのダメージを減らすので、脳震盪の予防効果もあります。また、運動能力が向上するという報告もあります。

 マウスガードは、大別するとスポーツ用品店などで入手可能な市販品と歯科医院で製作するものの2種類があります。本人の口にぴったりと合っている点で、歯科医院で製作したものがより優れています。

(東京医科歯科大学医歯学教育システム研究センター教授 荒木孝二)