脳・神経・筋の病気

代表的な抗てんかん薬

分類:脳・神経・筋の病気

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 抗てんかん薬の開発は、昔は動物に電気刺激を与えて起こるけいれんに対し、たくさんの薬物を試して効くものを探す方法がとられ、フェノバルビタール(フェノバール)やフェニトイン(アレビアチン)が見つかりました。

 それ以後の薬物開発も同様の方法がとられ、カルバマゼピン(テグレトール)、バルプロ酸ナトリウム(デパケン)などが見つかり、患者さんへの臨床試験のあと安全性が確認され、厚生労働省から薬品会社に市販許可がおりて初めて、医師が処方できるようになっています。

 最近になり、てんかんの病態が明らかになるにつれ、てんかんの起こるメカニズムも解明され、それに合わせた抗てんかん薬の開発が進みました。数種類の新世代の抗てんかん薬が欧米では市販されていますが、日本でも新規に3つの抗てんかん薬が発売されました。

 現在、使われている代表的な抗てんかん薬には、まず、部分てんかん発作に有効の証拠があるカルバマゼピン、第二選択薬としてのフェニトイン、また全般発作に有効の証拠があるバルプロ酸ナトリウムがあります。新規のラモトリジン(ラミクタール)も使えるようになりました。

 そのほか小児期に使われるフェノバルビタールや、よく似た薬にプリミドン(マイソリン)があり、服薬後にフェノバルビタールに変化して、意識障害を合併する部分発作にとくに効きめを現します。

 欠神発作によく効くエトスクシミド(ザロンチン)、また、複雑部分発作に対してこれらの抗てんかん薬単独では十分な効きめがみられない時にはトピラマート(トピナ)やゾニサミド(エクセグラン)、クロバザム(マイスタン)も使うことができます。

 ミオクローヌス発作に有効なクロナゼパム(リボトリール)や小児けい屈発作に使われるニトラゼパム(ベンザリン)、ジアゼパム(セルシン)もあります。

(浅ノ川総合病院脳神経センター顧問 廣鍚源二郎)