脳・神経・筋の病気

アセチルコリン受容体

分類:脳・神経・筋の病気

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 筋肉は、神経末端から放出されるアセチルコリンがある程度の量以上になると収縮します。この時に重要な役割を果たすのがアセチルコリン受容体です。この受容体は、筋細胞表面にある終板というところにあります。終板は溝が多数存在する構造となっています。この溝の壁に存在するのが、この受容体です。

 神経細胞が興奮すると、神経末端からアセチルコリンが放出されます。放出されたアセチルコリンは、終板に存在するアセチルコリン受容体にくっつきます。ある程度の量に達すると、終板に電位が発生します。この電位は、筋肉細胞の横管を通じて細胞全体に伝達されます。すると、横管の近くに存在する筋小胞体が興奮し、なかに蓄えていたカルシウム・イオンを放出して筋細胞が収縮を開始します。

 重症筋無力症は、自分のアセチルコリン受容体に対する抗体を作って、受容体を壊してしまうのが原因で発症します。

(国立病院機構箱根病院院長 石原傳幸)