脳・神経・筋の病気

肥厚性間質性神経炎

分類:脳・神経・筋の病気

広告

広告

 末梢神経が肥厚してくる疾患で、常染色体劣性遺伝形式をとるものです。本症の一部に髄鞘の構成成分であるPMP22遺伝子、P0遺伝子の変異が見つかっており、シャルコー・マリー・トゥース病Ⅰ型の重症型と考えられています。乳幼児期に発症することが大多数です。

 末梢神経の髄鞘が脱落(脱髄)、再生を繰り返して起こし、末梢神経の肥厚(タマネギの皮のような変化)が出てきます。多くは下肢に筋萎縮が起こり、コウノトリ型の下肢と呼ばれる高度な萎縮となり、歩行時にトリのようにつま先が下がる独特の歩行になります(鶏歩)。

 末梢神経伝導速度を測ると著しく遅くなっており、脊髄液の蛋白量も増えています。遺伝子診断が可能で、無症状のキャリア(遺伝子異常を媒介する)の存在が明らかになっています。

(興生会相模台病院副院長/北里大学名誉教授 齋藤豊和)