脳・神経・筋の病気

ファブリー病

分類:脳・神経・筋の病気

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 伴性劣性遺伝形式をとる糖脂質代謝異常症のひとつで、リソゾーム酵素であるα‐ガラクトシダーゼAの欠損によるものです。

 手足の疼痛発作、発汗障害、感覚障害などの感覚神経障害、自律神経障害を示します。疼痛発作は主要な徴候のひとつで、痛みは四肢の遠位部に強く、数時間から数日続き、激しい痛みを訴えることがあります。

 発汗の低下も重要な徴候で、運動時にうつ熱(運動、高温など外部環境によって起こる発熱)で気づくこともあり、汗腺に脂質が沈着し、汗腺の萎縮が現れます。

 白血球中のα‐ガラクトシダーゼの活性低下により診断されます。根本的な治療法はなく、痛みに対しては、カルバマゼピンが処方されています。

(興生会相模台病院副院長/北里大学名誉教授 齋藤豊和)