脳・神経・筋の病気

家族性自律神経異常症

分類:脳・神経・筋の病気

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 大部分がユダヤ人の家系に発症する、常染色体劣性形式をとる遺伝性の疾患です。日本では類似の報告はみられますが、典型的な本症は報告されていません。

 自律神経症状と末梢神経症状が中核になります。出生時から哺乳障害、成長障害、反復性の呼吸器感染症がみられ、自律神経障害として、起立性低血圧(起立時の失神発作)、流涙分泌障害(角膜潰瘍を起こしやすい)、味覚障害、痛みの鈍麻(痛みを不快な感覚とは感じない)、時に一過性の皮膚発赤(興奮時、食事時に顔面、胸部、四肢に大きな紅斑が出る。血管運動神経障害による)などが現れます。

 根治的な治療法はなく、対症療法にとどまります。人工涙液での角膜潰瘍対策などです。

 4分の1の患者さんは10歳までに死亡し、半数は22歳までに死亡するとの報告があります。

(興生会相模台病院副院長/北里大学名誉教授 齋藤豊和)