脳・神経・筋の病気

用語の解説

分類:脳・神経・筋の病気

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髄膜とは

 硬膜、くも膜、軟膜からなっています。硬膜は頭蓋骨の内面に密着していますが、軟膜は脳溝に沿って深く入り込んでいます。くも膜と軟膜の間に髄液が満たされています。ヒトの脳脊髄液の総量は120〜140mlですが、産生される脳脊髄液の量は1分間に0・35mlで、1日では約500mlとなり、1日3〜4回入れ替わっていることになります。

髄膜刺激症状とは

 髄膜の炎症、くも膜下出血などによる髄膜に対する刺激の結果としてみられる症状で、自覚症状としては頭痛があり、他覚的には項部(うなじ)硬直、ケルニッヒ徴候などがみられます。

血液脳関門とは

 髄膜および脈絡叢(脳室に位置し、血管に富む部分)は血液中の物質を選択的に通過させる性質があり、正常の時には血液中の細菌、化学物質、抗原、抗体などは髄液中に移行しません。しかし、病的状態になるとこの関門の透過性が亢進し、移行します。

脳炎・脳症

 脳炎は脳内でのウイルスの直接増殖がみられ、脳症では脳内でのウイルス増殖を欠き、通常髄液での細胞増加はみられません。脳症では、高サイトカイン血症などの免疫反応が重要な役割を演じていると考えられています。

PCR法とは

 PCR(polymerase chain reaction、ポリメラーゼ連鎖反応)とは、DNAあるいはRNAの断片を大量に増幅する酵素学的化学反応で、感度がよく、各種ウイルス、細菌の検出にも使用されています。

(国際医療福祉大学福岡リハビリテーション学部教授 庄司紘史)