呼吸器の病気

縦隔気腫

分類:呼吸器の病気

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 縦隔内に空気がたまる病気をいいます。重い物を持ち上げる、出産、排便時のいきみ、発声、咳などで肺胞内圧が急激に上がり、肺胞が破裂して発症します。気管支喘息の発作時や内視鏡検査後に起こることもあります。

 やせ型の若年男性に多いのですが、自然気胸と異なり喫煙との関係はありません。自覚症状としては胸痛が多く、頸部、前胸部などに皮下気腫を伴うと、特有の握雪感(雪を握ったような感じ)を認めます。

 胸部X線像では、心臓辺縁に沿う空気層(多くの例で左側に)がみられます(図47)。

 多くの例では、安静のみで空気は吸収され、治癒します。再発は15%程度にみられます。

(川崎医科大学附属川崎病院副院長・呼吸器病センター長 沖本二郎)

図47 縦隔気腫(胸部X線像)図47 縦隔気腫(胸部X線像)