呼吸器の病気

チアノーゼ

分類:呼吸器の病気

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 チアノーゼは、血液中の還元ヘモグロビンが5g/dl以上になり、指の爪、粘膜(口唇など)が青紫色になることで気がつきます。一般に呼吸器疾患では動脈酸素飽和度が70%以下になると明らかなチアノーゼがみられ、この所見がみられたら動脈血酸素の低下が疑われます。

 原因の多くは肺・心疾患ですが、中枢性と末梢性、そのほか自律神経緊張異常などに大きく分けることができます。

 中枢性は肺への静脈血(肺に向かう肺動脈には静脈血液が流れている)が十分に流れないもの、肺に原因があるものでは慢性閉塞性肺疾患、肺炎、間質性肺炎など多数の病気があります。

 肺は正常でも、酸素化された血液(酸素が十分含まれる血液)が酸素の低い血液と混ざってしまう病気や、酸素を運ぶヘモグロビンの異常でも起こります。たとえば動脈血と静脈血が混ざってしまうシャント(先天性心疾患、肺動静脈瘻)、ヘモグロビンの異常ではメトヘモグロビン血症などです。

 末梢性は動脈硬化、血栓性静脈炎などの局所的な静脈還流、また動脈血の供給の障害です。

 気をつけなければならないのは、貧血があったり動脈血二酸化炭素分圧が高いとチアノーゼが出にくく、出れば明らかな低酸素血症があることを示唆しています。また、皮膚、粘膜の色は光の加減で変化するので、自然光で観察することが大切です。

(広島国際大学保健医療学部教授 中島正光)