循環器の病気

発作性上室性頻拍の心電図での分類

分類:循環器の病気

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 発作性上室性頻拍のなかで、どの型の頻拍になるかは次の点が参考になります。

 正常QRS幅の発作性頻拍で、QRS波の後ろにP′波があればWPW症候群の房室回帰性頻拍である可能性が高くなります。同様に、正常QRS幅の発作性頻拍でQRS波とQRS波の間にP′波が認められないか、あるいはQRS波の後半にP′波が重なって認められれば、房室結節リエントリー性頻拍である可能性が高いことになります。

 QRS波の前に洞調律時のP波形と異なるP′波があれば、心房内リエントリー性頻拍あるいは希有型房室結節リエントリー性頻拍、洞調律時のP波と同一波形のP′波がQRS波の前にあれば洞結節リエントリー性頻拍となります。発作性頻拍でQRS幅が広い場合があり、P′波とQRS波が明らかに1対1に対応して認められれば、心室内変行伝導を伴った発作性上室性頻拍となります。

 診断のポイントは、突然起こり、しばらく続いて突然止まるQRS間隔の規則正しい頻拍で、P′波とQRS波が1対1に対応していれば発作性上室性頻拍とされます。

(東邦大学医療センター大橋病院循環器内科教授・副院長 杉 薫)