こころの病気

離脱症状とは

分類:こころの病気

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 中枢神経系を抑制する作用のあるアルコール、ベンゾジアゼピン類、アヘン類などで認められる身体依存の徴候です(表7)。薬物を使用し始めのころは、体内から薬物が消失していくと、急性効果が消失するだけですが、反復使用していくうちに、身体依存が形成されて、当初はなかった薬物特有の身体・精神症状が現れます。

 連用している薬物を完全に断った時に現れる症状を禁断症状といい、薬物の血中濃度が急速に低下する時にも、これと類似の症状が現れます。それを「離脱症状(退薬症状)」といいます。

 アヘン類では、あくびが盛んに出て、瞳孔の散大のほか、涙・鼻水がだらだら出る、皮膚に虫がはい回るような異常感、腹痛・嘔吐・下痢・食欲不振、不眠、アヘン類を使用する動機となった脊椎骨折などの疼痛が再現するなど、自律神経嵐と呼ばれる激しい症状が出て大変な苦痛を伴います。その苦痛から逃れようとして、さらにアヘン類を求めるために、自分で止めようとしてもなかなか止めることができないのです。

 通常、これらの離脱症状は、類似の作用をもつ医薬品に置き換え、それを漸減することによって、おおむね1週間以内におさまりますが、激しい時には生命の危険さえあります。

(医療法人せのがわKONUMA記念広島薬物依存研究所所長 小沼杏坪)

表7 乱用される薬物の種類と特徴(平成10年度厚生省医薬安全対策総合研究事業和田班編) 表7 乱用される薬物の種類と特徴(平成10年度厚生省医薬安全対策総合研究事業和田班編)