子どもの病気
膀胱尿管逆流現象
分類:子どもの病気
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腎臓でつくられた尿は尿管を通って膀胱にためられますが、尿管と膀胱のつなぎ目(接合部)の異常のため、膀胱にたまった尿が再び尿管、さらには腎臓に逆戻りする現象を、膀胱尿管逆流現象と呼びます。
乳児期には約1%の子どもにこの異常が認められますが、多くの子どもでは成長とともに自然に治るものと考えられています。
膀胱尿管逆流現象の主な原因は、尿管と膀胱の接合部が生まれつき弱く、逆流を防止する弁のはたらきがないためと考えられます(図26、図27)。
この病気が発見されるきっかけで最も多いのは尿路感染症です。これは尿の通り道や腎臓に細菌が入り込んで起きる病気で、高熱や側腹部・背部痛がみられることもありますが、乳児の場合は、高熱のほかに下痢や嘔吐、不機嫌といった一見腎臓とは関係のない症状で始まることもあるので注意が必要です。
かぜの症状がないのに何回も高熱を繰り返す場合には、尿に異常がないかどうかを小児科医に相談してみてください。
尿路感染症を起こした子どもの30〜50%にこの膀胱尿管逆流現象が隠れているといわれているため、尿路感染症が治ったあとに超音波検査や膀胱造影検査を行って膀胱尿管逆流現象がないかどうか、その程度は軽いか重いかを確認します。
程度の軽い場合は成長とともに80%以上が自然に治りますが、重症の膀胱尿管逆流現象を放置すると、腎機能が低下して腎不全になることがあります。また逆流腎症と呼ばれる長期的合併症を起こし、高血圧や腎不全になることもあります。