尿中のたんぱくや血液で腎機能異常を見つける検査
尿たんぱく・尿潜血
尿たんぱく・尿潜血検査の概要
尿中には、微量のたんぱく質が含まれていますが、腎臓や尿道の異常があると、通常より多くのたんぱく質が尿中に漏れ出ます。また腎臓や尿道の異常により尿に血液が混じることがあります。肉眼では確認できない尿中の血液も検出します。いずれも採尿して調べます。
尿たんぱく・尿潜血検査の判定値
日本人間ドック学会の判定値
- 尿たんぱく
- 異常なし:陰性(−)
- 軽度異常:弱陽性(±)
- 要経過観察(生活改善・再検査):陽性(+)
- 要治療・要精検:強陽性(2+)以上または尿たんぱく・尿潜血ともに陽性(+)の場合
- 尿潜血
- 異常なし:陰性(−)
- 軽度異常:弱陽性(±)
- 要経過観察(生活改善・再検査):陽性(+)
- 要治療・要精検:強陽性(2+)以上または尿たんぱく・尿潜血ともに陽性(+)の場合
※特定健診では、尿潜血は健診項目に含まれていません。
尿たんぱくに関連する主な病気
尿潜血に関連する主な病気
尿たんぱく・尿潜血検査が陽性なら、必ず詳しい検査を受けましょう
尿たんぱくは、病気でなくても出現することがあります。例えば、横に寝ているときは異常がなく、立っているとたんぱく尿となる場合を起立性たんぱく尿といい、これはとくに心配ありません。また、激しい運動をしたときなども、一時的に尿たんぱくや尿潜血が陽性になることがあります。ただし、この検査だけでは、心配がないものかどうかはわからないので、さらに検査が必要といわれたときは、必ず受けて尿たんぱく・尿潜血がみられる原因を突き止めましょう。尿たんぱく・尿潜血の原因となる腎臓の病気は、自覚症状がほとんどなく、気づいたときはもう透析が必要になる一歩手前、ということもあるためです。
よくある質問Q&A
- 検査で注意することは?
朝一番の中間尿を採る
尿採取は、出始めと終わりを避けた中間に採取します。雑菌が入らないように検尿コップの中には、指を入れたりしないようにしましょう。女性の場合、生理中は正しい結果が得られないため、避けるようにします。
監修者プロフィール
- 監修
- 和田高士(わだたかし) 医師
- 東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学 教授
- 1981年東京慈恵会医科大学卒業、2008年東京慈恵会医科大学 総合健診・予防医学センター教授を経て、現、東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学教授。日本肥満学会評議員、日本動脈硬化学会評議員、日本臨床検査医学会管理医、肥満症診療ガイドラインの執筆も担当。日本人間ドック学会では、理事を務める。