肝臓や胆道の異常を調べる検査
尿ウロビリノーゲン
尿ウロビリノーゲン検査の概要
胆汁の色素成分であるビリルビンが、腸で分解されてウロビリノーゲンに変わります。そのうち、尿中に出てきたものが尿ウロビリノーゲンです。尿を採取して調べます。
尿ウロビリノーゲン検査の基準
尿ウロビリノーゲンに関連する主な病気
尿ウロビリノーゲンはわずかにみられるのが正常です
ウロビリノーゲンは、胆汁の色素であるビルビリンが腸内で分解されてできたもので、その大部分は便に排出されます。腸から吸収されて血液に出現し、腎臓から尿中に排出される尿ウロビリノーゲンはわずかな量となります。そのため、正常範囲である基準値は弱陽性(±)です。肝機能に異常があるとビリルビンの処理能力が低下して尿中に増え、陽性となります。また、総胆管に閉塞が起きると、ビリルビンが逆流して腸内からなくなるため陰性となります。肝臓検査のAST、ALPなどと併せて評価します。
よくある質問Q&A
- 尿ウロビリノーゲンは、陽性・陰性のどちらも要注意なの?
どちらもさらに詳しい検査が必要です
尿ウロビリノーゲンは、わずかにみられる(弱陽性)のが、正常な状態です。陽性なら肝機能障害が、陰性なら総胆管などの異常が疑われるため、どちらもさらに詳しい検査が必要です。肝炎や肝硬変、腫瘍や胆石などによる総胆管の閉塞など重篤な病気の疑いもあります。
監修者プロフィール
- 監修
- 和田高士(わだたかし) 医師
- 東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学 教授
- 1981年東京慈恵会医科大学卒業、2008年東京慈恵会医科大学 総合健診・予防医学センター教授を経て、現、東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学教授。日本肥満学会評議員、日本動脈硬化学会評議員、日本臨床検査医学会管理医、肥満症診療ガイドラインの執筆も担当。日本人間ドック学会では、理事を務める。