肝機能や胆道の異常を調べる検査
ALP(アルカリフォスファターゼ)
ALP検査の概要
ALPは、リン酸化合物を分解する働きを持つ酵素です。主に肝臓や胆道、小腸、腎臓、骨などに多く含まれます。採血をして調べます。
ALP検査の基準値
- 38〜113 U/L以下(IFCC法)
- 106〜322 U/L以下(JSCC法)
- ※検査機関によって異なります。2020年から順次、世界標準のIFCC法に移行します。
ALPに関連する主な病気
ALP値が高いと、肝機能や胆道の異常が疑われます
ALPは肝臓や胆道、小腸、腎臓、骨などに多く存在する酵素です。通常は、肝臓で処理されて胆汁中に流れ出ます。肝臓や胆道に異常があると、胆汁中のALPが逆流して血液中にあふれ出ます。そのため、ALP値が高いと、肝臓や胆道の異常が疑われます。また、がんが骨転移した場合にも、ALP値が上昇することがわかっています。なお、骨粗しょう症など骨の組織が消失していく病気ではALP値には変化が起こりません。
よくある質問Q&A
- 基準値が複数あるのはなぜ?
常によりよい検査方法が見直されているから
ALPにはさまざまな検査法があり、検査機関によって基準値(正常範囲)も異なってきます。また、検査方法は常に見直されており、世界標準のIFCC法が2020年より導入されていますが、その過渡期ともいえます。
監修者プロフィール
- 監修
- 和田高士(わだたかし) 医師
- 東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学 教授
- 1981年東京慈恵会医科大学卒業、2008年東京慈恵会医科大学 総合健診・予防医学センター教授を経て、現、東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学教授。日本肥満学会評議員、日本動脈硬化学会評議員、日本臨床検査医学会管理医、肥満症診療ガイドラインの執筆も担当。日本人間ドック学会では、理事を務める。