鉄不足の貧血を調べる検査
血清鉄
血清鉄検査の概要
血清鉄とは、血清(血液中の液体成分)に含まれる鉄分のことです。主に貧血の原因を調べる検査で、血液を採取して調べます。女性のほうが男性よりもやや低い傾向にあります。
血清鉄の基準値
- 男性:60〜200μg/dL
- 女性:40〜160μg/dL
- ※検査機関によって異なります。
血清鉄に関連する主な病気
数値が低いと鉄欠乏性貧血などの貧血が疑われます
食物からとる鉄分は胃で吸収されやすい形になって十二指腸で吸収され、ヘモグロビンをつくるもとになり、さらにそれをもとに赤血球がつくられます。胃の切除により吸収が困難な状況、食事内容の偏り、出血による喪失、感染症などによる消費増大により、血液中の鉄は不足した状態になります。すなわち、血清鉄の数値が低いと鉄欠乏性貧血が疑われます。胃や腸の潰瘍や子宮筋腫などが原因で体内から多くの出血があると強い貧血状態になり、血液中の鉄は低値になります。
よくある質問Q&A
- この検査で何がわかるの?
血液中の鉄分が足りているかどうか
体の中の酸素を運搬するヘモグロビンは血液中の鉄を材料につくられます。鉄が不足するとヘモグロビンの合成が低下して貧血が起こります。鉄欠乏性貧血は若い女性に多くみられる病気です。
監修者プロフィール
- 監修
- 和田高士(わだたかし) 医師
- 東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学 教授
- 1981年東京慈恵会医科大学卒業、2008年東京慈恵会医科大学 総合健診・予防医学センター教授を経て、現、東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学教授。日本肥満学会評議員、日本動脈硬化学会評議員、日本臨床検査医学会管理医、肥満症診療ガイドラインの執筆も担当。日本人間ドック学会では、理事を務める。