肝機能や全身の栄養状態を調べる検査
アルブミン
アルブミン検査の概要
アルブミンは肝臓でつくられるたんぱく質で、血液中のたんぱく質の約7割を占めています。アルブミン値から肝臓の機能や全身の栄養状態などを判断します。血液を採取して調べます。
アルブミン検査の判定値
日本人間ドック学会の判定値
- アルブミン(g/dL)
- 異常なし:3.9g/dL以上
- 要経過観察(生活改善・再検査):3.7〜3.8g/dL
- 要治療・要精検:3.6g/dL以下
アルブミン検査に関連する主な病気
アルブミン値が低いと肝機能異常や栄養状態の低下が疑われます
アルブミンには、血液中の水分を一定に保ったり、栄養素や代謝物質と結びついて目的地に運ぶといった働きがあります。アルブミンの値が低いと肝臓でたんぱく質をつくる働きが低下している可能性があります。また、腎臓病の1つであるネフローゼ症候群では、尿にどんどんアルブミンが漏れ出てしまうため、その結果、低値となります。
また、栄養不足の場合も、低値となります。さらに詳しい検査が必要といわれたときは、きちんと検査を受けて低値となる原因を調べましょう。
よくある質問Q&A
- アルブミン値が低いといわれたら?
必要な検査を受け、原因に応じて治療や食生活などの改善を
要再検査、要精密検査などといわれ、詳しい検査が必要な場合は、必ず受けるようにしましょう。アルブミン値が低い原因には、肝硬変やネフローゼ症候群など、治療が必要な病気が多く、その治療を行います。
また、全身的な栄養状態が低下していることが原因の場合もあります。高齢者の場合、低栄養状態が続くと、寝たきりや認知症などの誘因にもなりかねません。肉や魚、大豆製品、卵などたんぱく質を多く含む食品を心がけてとるようにするなど、食生活を見直しましょう。
監修者プロフィール
- 監修
- 和田高士(わだたかし) 医師
- 東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学 教授
- 1981年東京慈恵会医科大学卒業、2008年東京慈恵会医科大学 総合健診・予防医学センター教授を経て、現、東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学教授。日本肥満学会評議員、日本動脈硬化学会評議員、日本臨床検査医学会管理医、肥満症診療ガイドラインの執筆も担当。日本人間ドック学会では、理事を務める。