家庭の医学 大全科

健診・人間ドック 検査結果のくわしい解説とQ&A

代謝系の検査

痛風発作のリスクがわかる検査
尿酸

痛風発作のリスクがわかる検査 尿酸

尿酸検査の概要

尿酸は、たんぱく質の一種であるプリン体が代謝されてできる老廃物です。尿酸は一定のバランスで尿中に溶けて排出されますが、このバランスが崩れて増えすぎると、血液中の尿酸が過剰になります。採血をして調べます。

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尿酸検査の判定値

日本人間ドック学会の判定値
尿酸検査の判定値 日本人間ドック学会の判定値
尿酸
異常なし:2.1〜7.0mg/dL
軽度異常:7.1〜7.9mg/dL
要経過観察(生活改善・再検査):2.0mg/dL以下 8.0〜8.9mg/dL
要治療・要精検:9.0mg/dL以上

尿酸検査に関連する主な病気

尿酸値が高いと、痛風発作を起こすリスクが高まります

尿酸値が高い状態が続くと、血液中に溶けきれない尿酸が結晶化して関節内にたまり、それが一気に崩れると、激痛を引き起こします。これが痛風発作です。尿路結石ができやすくなったり、痛風腎(腎不全)を合併したりすることもあります。

食生活や飲酒、肥満などが高尿酸血症の原因といわれています。

痛風発作が起こりやすい部位
  • 手指
  • ひじ
  • ひざ
  • かかと
  • 足の甲
  • くるぶし
  • 足ゆびの親ゆびのつけ根(全体の約7割)

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よくある質問Q&A

痛風の発作はなぜ起きるの?
尿酸が結晶化して関節にたまり炎症を起こす
痛風の発作は、体の中にたまった尿酸の結晶が一気に崩壊することで関節炎を引き起こします。足の親ゆびなどが赤く腫れ、歩けなくなるほどの激しい痛みにおそわれます。その後、徐々に痛みはやわらいでいきますが、適切な尿酸値を下げる治療を受けずに放置していると、繰り返し発作が起きたり、発作のたびに症状が酷くなったりします。
プリン体を多く含む食品は食べてはいけないの?
食べ過ぎには注意を
プリン体は体内でつくられるものが8割程度、食べ物から取り込まれるのは2割程度といわれているため、プリン体を食べてはいけないのではなく、食べ過ぎに注意することが肝心です。プリン体を多く含む食品には、レバー類、白子、エビ、イワシ、カツオなどが挙げられます。魚の干物や干ししいたけなども水分が減ることで、一定量の中にプリン体が多くなってしまうので注意しましょう。
また、プリン体は水に溶けやすいので、プリン体の多い食品を具やだしにした鍋の汁やラーメンのスープを飲み干さないようにするとよいでしょう。
監修者プロフィール
和田高士 医師
監修
和田高士(わだたかし) 医師
東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学 教授
1981年東京慈恵会医科大学卒業、2008年東京慈恵会医科大学 総合健診・予防医学センター教授を経て、現、東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学教授。日本肥満学会評議員、日本動脈硬化学会評議員、日本臨床検査医学会管理医、肥満症診療ガイドラインの執筆も担当。日本人間ドック学会では、理事を務める。