血液中の脂質の量を調べる検査
総コレステロール
総コレステロールの検査の概要
コレステロールとは脂質の一種で、細胞を包む細胞膜の材料になったり、胆汁酸の材料になったり、ビタミンDやさまざまなホルモンの合成にも使われます。コレステロールにはLDLコレステロールやHDLコレステロールなど複数の種類があり、これらすべてのコレステロールの合計が総コレステロールです。血液を採取して調べます。
総コレステロールの基準値
- 130〜219mg/dL(酵素法)
- ※検査機関によって異なります
総コレステロールの異常に関連する主な病気
コレステロールの量よりもバランスが大事です
コレステロールは体にとって必要不可欠な脂質で、少な過ぎると体に障害が起こりますが、多過ぎると怖い病気のリスクが高まります。また、コレステロールには複数の種類があり、その主なものがLDLコレステロールとHDLコレステロールです。脂質異常症とは、その作用から、LDLコレステロール値が高く、HDLコレステロール値が低い状態をいいます。
総コレステロール値のみを見て一喜一憂するのではなく、その内訳ともいえるLDLコレステロールとHDLコレステロールのバランスを確認することが肝心です。
総コレステロールは、特定健診の検査項目には含まれていませんが、動脈硬化のリスクにかかわるNon-HDLコレステロール値を導き出すために必要な検査です。
よくある質問Q&A
- 総コレステロールとは?
血液中に含まれるすべてのコレステロールのことです
コレステロールとは脂質の一種で、細胞膜や血管壁を構成しています。肝臓がホルモンや胆汁酸を作るときの材料になるなど重要な役割を持っています。ただし、数値が異常に高くなるとコレステロールが血管壁に取り込まれ、内側に向かって血管壁が隆起し内腔が狭くなります。これが動脈硬化の一因で、心筋梗塞や脳梗塞などの原因となります。
また逆に、コレステロールが減少すると生体の機能は低下します。血管がもろくなり、神経細胞の働きが低下することがあります。
監修者プロフィール
- 監修
- 和田高士(わだたかし) 医師
- 東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学 教授
- 1981年東京慈恵会医科大学卒業、2008年東京慈恵会医科大学 総合健診・予防医学センター教授を経て、現、東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学教授。日本肥満学会評議員、日本動脈硬化学会評議員、日本臨床検査医学会管理医、肥満症診療ガイドラインの執筆も担当。日本人間ドック学会では、理事を務める。